オオクワガタの割り出しとは?タイミングや時期はいつがいいの?

オオクワガタの割り出しとは?タイミングや時期はいつがいいの?

オオクワガタを産卵させるためには産卵セットをつくります。

産卵セットについてはオオクワガタの産卵に適した方法とは?産卵セットの組み方などでご紹介していますので、ご参考ください。

首尾よくオオクワガタのメスが産卵している兆候がみられましたら、今度はタイミングを見計らって「割り出し」という作業をおこないます。

今回はこの割り出しについて書いていきたいと思います。

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割り出しって何?それは一番ワクワクする瞬間!

割り出しというのはメスが産卵セットに産んだ幼虫を取り出す作業のことをいいます。

オオクワガタは材産みタイプのクワガタです。材産みというのはクヌギやコナラなどの産卵木の中に卵を産みつけるタイプのことです。

オオクワガタの産卵方法 産卵木

【↑クヌギ材の産卵木 オオクワガタはこの中に卵を産みつけます】

ということは卵から孵化した幼虫もこの産卵木の中にいるんですね。この産卵木を割って幼虫を取り出すので割り出しと言いますが、産卵木の中ではなくマット(土)の中に産卵するクワガタやカブトムシの幼虫を取り出すときも割り出しと言います。

産卵セットの外側からでは産卵の兆候がみられてもどのくらい幼虫がいるのかは実際に開けてみないと分かりません。

なので割り出しは一番ワクワクする瞬間でもあるんです!ホントに楽しい。

思いがけずたくさんの幼虫が出てきたときの嬉しさは格別です。中身の分からないプレゼントを開けるワクワクみたいです。

オオクワガタの割り出しのタイミング。おススメの時期について

では、オオクワガタの幼虫の割り出しはどのタイミングでおこなうのが良いのでしょうか?

オオクワガタが産卵木をたくさん削っているようでしたら産卵している可能性があります。

産卵の兆候がみられたらすぐにでも割り出したくなります。でもここで注意が必要です。オオクワガタのメスは1日で産み切ってしまうわけではありません。日にちをかけて産卵していきます。兆候がみられたからといってすぐに割り出してしまうとまだ産卵の途中だったかもしれません。

また、産卵した卵は目安として3週間前後で幼虫に孵化します。(孵化するまでの時間は飼育温度などによっても変わってきます。)

卵で取り出してしまうと管理も大変ですし死亡リスクも高まります。孵化したばかりの幼虫も同様です。

そのため、割り出しをするタイミングはメスが産卵を終えてさらに卵から孵化した幼虫がある程度大きく育ってからがベストです。期間でいえば産卵の兆候がみられてから1ヶ月半~2ヶ月くらい経過してからが良いでしょう。

ただ、産卵し終わったメスをずっと産卵セットに入れておくとメスが幼虫を食べてしまうことがあります。メスが幼虫を食べちゃうの!?って思いますが、産卵で体力を著しく消耗したメスにとって、幼虫は貴重な栄養源になってしまうんです。エサのゼリーを入れておいても幼虫のほうを食べてしまうことがあるくらいですので、産卵の兆候があり1ヶ月くらい経ってメスが外にでてきていたら取り出してしまいましょう。

幼虫がある程度、産卵木の中で成長してから割り出すのには他にもメリットがあります。幼虫が産卵木を食べ進むため、産卵木が柔らかく崩れやすくなります。そうすると割り出しやすくなるんですね。

オオクワガタの割り出し 産卵木

↑産卵セットしてから2ヶ月半が経過した産卵木。幼虫が大きく育っていて幼虫が食べた痕(食痕)が広がっています。

写真の幼虫は3令まで育っていますが、2令まで育っていれば十分なのでこれはちょっと時間が経ち過ぎてましたね。

産卵セットしてからあまり期間が経っていないと産卵木が固く、割り出すのが非常に大変になってしまいます。

オオクワガタの割り出しの道具、方法は?

オオクワガタの割り出しにはナタや皮スキや小型ナイフ、マイナスドライバーを使います。

手順としてはナタや皮スキ、小型ナイフを使って産卵木を大まかに割ります。手で割れるくらい柔らかくなっていれば手で割りましょう。すると割った断面に幼虫や幼虫がいる穴がみれます。

オオクワガタの割り出し 産卵木

幼虫がいる場所、いそうな場所を確認して今度はマイナスドライバーで慎重に材を削っていき幼虫を取り出します。

幼虫は直接手で触れずにスプーンを使って取り出します。

取り出した幼虫は初令や2令初期の場合はいきなり菌糸ビンへ投入せずに発酵マットでしばらく飼育するのがおススメです。あまり幼虫が小さいうちに菌糸ビンへ投入すると菌糸ビンの菌に負けて死んでしまうリスクが高くなるからです。

2令中期以降や3令の場合は菌糸ビンへと投入します。

メスは日にちをかけて産卵するため、産卵したタイミングによって幼虫の成長はまちまちです。3令になっている幼虫もいればまだ2令初期の小さい場合もあります。

割り出しが終わって全ての幼虫を取り出したら、割り出した産卵木はすぐに捨てずにもう一度産卵セットにまとめていれておきましょう。もしかすると見逃している卵や幼虫が材の破片などにいるかもしれません。1ヶ月くらい様子をみてると幼虫がまだ出てきたなんてことはよくあります。

せっかくメスが頑張って産んだ幼虫です。1頭も見逃さずに回収してあげたいですね。

割り出しするときの注意点

割り出しをするときの注意点として、まず重要なのは割り出すタイミングです。特に少しでも早く割り出したくなってしまいますが、しっかり日数を待って割り出しましょう。目安として産卵セットしてから1ヶ月半~2ヶ月くらいです。先ほども書いたように日にちがあまり経っていないとメスが産卵の途中だったり卵や孵化したての幼虫が出てきてしまいます。

また、逆にいつまで経っても割り出しをせずに放置するのも良くありません。メスが産卵セットに入ったままの場合はメスが幼虫を食べてしまう恐れがありますし、メスを取り出してあっても限られた産卵木の中に複数の幼虫がずっといる状態は良くありません。

割り出す際にはナタやマイナスドライバーなどの道具で幼虫を傷つけてしまわないように注意しましょう。とはいえ産卵木が固かったり割り出しにくい場合にはなかなか難しかったりします。どんなに注意していてもうっかり幼虫を潰してしまうということもあります。あまりにも材が固く割り出し難いときには、いったん割り出しは中止してもうしばらく材が柔らかくなるまで待つのもひとつの方法です。

幼虫もそうですが自分の手を傷つけないようにも注意しましょう。ナタや皮スキを使用すると思わぬ大けがを招いてしまうこともありますので、十分な注意が必要です。

割り出したあとのメスはどうするの?

割り出したあとのメスや、割り出す前に取り出しておいたメスは体力を消耗しています。まずは高たんぱくゼリーを十分に与えてしっかりと休ませてあげましょう。

オオクワガタのメスは一度産卵してもまた繰り返し産むことが多いです。もしも産卵させたメスが羽化から年数が経過していたり、またはフセツなどが欠損したB品だった場合には越冬が難しいかもしれません。その場合はそのシーズンに再び産卵セットして産ませるのが良いでしょう。

逆にまだ若いメスの場合には、その年で再セットするよりも一度越冬させて次の年にもう一度産ませた方が良い場合もあります。そのあたりは必ずこうしたほうが良いとは言えないので、その時の状況によって判断するのが良いです。

オオクワガタは9月を過ぎると産卵が難しくなりますので、夏が終わるようでしたら越冬させたほうが良いでしょう。

オオクワガタの産卵が上手くいって幼虫を割り出すのは本当に楽しいです。ケガ無く慎重に割り出してくださいね。

今日はこのへんで。

それではまた!

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