みなさんも子供の頃にクワガタやカブトムシを採集をしたことありますよね?
どんなクワガタを採りましたか?
ノコギリクワガタやコクワガタ、カブトムシを採った人は多いでしょう。
ヒラタクワガタやミヤマクワガタが採れた時は思わず興奮してしまいますよね。
じゃあオオクワガタはどうですか?
オオクワガタを採ったことがあるって人は、ほとんどいないと思います。
そうなんです。
オオクワガタは別格で、他のクワガタと比べて極端に採集することが難しいんです。
個体数が他のクワガタと比べて少ないことや、オオクワガタ自身がとても警戒心が強い臆病なクワガタのため、そこら辺をウロウロしていることが少なく偶然採れるということが滅多にないからです。
そんなオオクワガタを採集する方法のひとつに灯火採集というものがあります。
昆虫が光に集まる習性を利用した採集方法です。その中でライトトラップという方法があります。オオクワガタが飛んできそうな場所に水銀灯をつけて光に呼び寄せるというものです。
ここでは灯火採集のライトトラップで実際にオオクワガタを採集した様子をご紹介します。
スポンサーリンク
灯火採集(ライトトラップ)をおこなう際のポイント
灯火採集(ライトトラップ)はオオクワガタがいそうなポイントでおこなうのが重要です。近くにオオクワガタなど昆虫が好む広葉樹の林があって、こちらの光をみつけやすいある程度見晴らしのある場所が良いです。採りたいオオクワガタがいない場所ではいくらやっても飛んできてくれません。
実際にはそうしたポイントというのは限られてくるため、過去にオオクワガタが飛んできた場所でおこなうことが多いです。
また、月明かりが強いとオオクワガタはこちらのライトに飛んできてくれませんので、月明かりのない新月などにおこないます。雨が降っていても飛んできますが風があまりに強いと難しいです。
また、オオクワガタが活発に活動している時期に限ります。シーズンは7月上旬~8月下旬くらいです。秋の気配が出てくると難しくなってしまいます。
灯火採集(ライトトラップ)スタート!
今回灯火採集(ライトトラップ)をおこなうのは福島県南会津の某所です。南会津は昔からオオクワガタが採れる地域として有名なところです。
月明かりのない日に採集ポイントへ
月明かりのない日に採集ポイントへきました。この日は昼間に局地的に雨が降っていました。セッティングする直前にやんでくれましたが、山にはもやがかかっています。もやが濃すぎるとオオクワガタがしっかりとライトを目指して飛んできてくれないことがあります。
18時30分、セッティングして暗くなるのを待ちます。
クワガタなどの昆虫を引き寄せるための白い布をたて、複数のライトを配置します。夜になると驚くほどたくさんの昆虫がここをめがけて集まってきます。その数の多さからするとクワガタはほんの一部です。さらにオオクワガタとなると・・難しいです。
夜は真っ暗。明るいうちにセッティングしておきます。
19時30分、辺りが暗くなり昆虫が集まり始めました。
白い布にはたくさんの蛾が集まってきました。クワガタも上手く白い布にとまってくれれば良いのですが、クワガタはそれほど飛ぶのが上手ではないためライトを目指しながらも少し離れた場所に着地することも多いです。懐中電灯を照らして辺りを歩きながら注意深く探します。
19時45分、初めてのクワガタが飛来!
最初のクワガタです!コクワガタが飛んできました。着地したばかりで羽がまだ出たままです。コクワガタが飛んでくるのはオオクワガタを採るのに良い兆候です。オオクワガタとコクワガタは行動パターンが似ているようで、コクワガタがくればオオクワガタが飛んでくることも十分考えられます。
20時10分、続々とクワガタが飛んできます。
写真はアカアシクワガタです。名前の通り足の付け根辺りが鮮やかな赤色をしています。標高の高い場所では見ることは珍しくありません。オオクワガタは20時~22時の間に飛んでくることが多いです。日付が変わってしまうと難しいです。
21時00分、大型のミヤマクワガタも!
ずいぶんとミヤマクワガタも飛来してきていますが、かなり大きなオスが飛んできました! ミヤマクワガタもやはり標高の高い場所に生息しています。高温が苦手のため飼育するとすぐに弱ってしまうことが多いですがここでは元気に飛び回っています。
21時20分、今日は少ないカブトムシ。
これまで飛んでくるのはほとんどがアカアシクワガタかミヤマクワガタ。見上げると一際大きな昆虫がぐるぐる回りながら落ちてきました。今日はあまり飛んでこなかったカブトムシです。
21時30分、まだオオクワガタはきません。
オオクワガタが飛んできても良い時間帯なのですがまだやってきません。白い布には相変わらずたくさんの昆虫が集まってきます。大半は大小さまざまな蛾です。トンボも隅っこにとまっていました。
21時38分、ついにオオクワガタが!
何となく今日はオオクワガタと出会えない予感がしてきた頃、ついにオオクワガタのメスが飛んできました!まだ羽が出ているところを急いで撮影。白い布から離れた場所に着地してました。
サイズは特別大きくはないですが、これが来るのと来ないのとでは大違いですw 擦れがけっこう付いていますね。野外のオオクワガタは擦れや傷があることも多いです。
22時10分、クワガタが飛んでこなくなりました。
昆虫の数も徐々に減りクワガタは飛んでこなくなりました。そろそろライトトラップ終了です。写真は最後に飛んできた立派なノコギリクワガタ。
22時30分、ライトトラップ終了。
今日は昼間天気が悪かったのでどうなることかと思いましたが、何とかオオクワガタのメスが1頭飛んできてくれました。飛んできたクワガタの大半はミヤマクワガタとアカアシクワガタでした。今回は幸いオオクワガタがやってきてくれましたが全くこない日も多いです。
まとめ
オオクワガタを採集するには時期や気候、場所などが重要になります。それらの条件をクリアしていても1匹も採れないことも多々あります。難しいからこそ採れたときの感動が大きくなるんだと思います。
灯火採集(ライトトラップ)は最初に揃える機材が多いため気軽に始めるには敷居が高いといえます。でも年々ライトトラップでの採集者が増えてきているのはそれだけオオクワガタを採るということが多くの人を惹きつけるものだからだと思います。