オオクワガタ幼虫の飼育記録のPart3です。
今回はオオクワガタ幼虫が蛹室をつくった時の注意点についてご紹介します。
前回までの記事はこちらをご覧ください。
オオクワガタ幼虫 菌糸ビン交換のタイミングと方法とは?【Part.2】
それではみていきましょう!
蛹室ってなに?
まずは蛹室についてから。
蛹室というのは、
幼虫が蛹になってさらに成虫に羽化するための部屋
のことをいいます。
蛹になって成虫に羽化するときには体が柔らかくとてもデリケートな状態になります。
それを保護するために、幼虫は自分のまわりを固めて部屋をつくるんです。
蛹室の見分け方
下の画像はオオクワガタ幼虫(メス)の蛹室です。4月10日に確認できました。実際に蛹室をつくったのはもう少し前と思います。
蛹室は幼虫よりも一回り以上大きな楕円形の空間になっています。
蛹室の中の幼虫はピンと伸びたような状態になっています。
この状態の幼虫を前蛹といいます。
前蛹は見た目は幼虫ですが、動いて移動したりエサを食べたりはしません。
いわば蛹になる直前の段階です。
この状態になったらあとは蛹になるまで菌糸ビンは動かさずに静かに見守ります。
こちらはもう1頭のオスの蛹室です。メスと同じ4月10日に確認しました。
メスよりも幼虫の体が大きく、蛹室もその分大きいのが分かります。
こちらの幼虫はまだ前蛹にはなっていません。
前蛹から蛹になるのはどれくらい?
前蛹から蛹になる期間はどのくらいでしょう?
目安としては、
約10日~2週間くらいです。
個体差や飼育温度などの環境によっても変わってきます。
ちなみに4月10日に前蛹が確認できた幼虫(実際に前蛹になったのはもう少し前)は、4月22日に蛹になりました。
実際に蛹化するところを撮りたかったんですが、残念ながら明け方頃なったようで朝みたときにはすでに蛹になっていました。
夜中から明け方に蛹化することが多いです。
オスのほうは4月27日に蛹になっていました。
こちらも残念ながら蛹化の様子は見れず。
蛹から成虫に羽化するのは3週間~4週間くらいが目安になります。
蛹室をつくった時の注意点は?
蛹室をつくる時期はオオクワガタの幼虫飼育の中で最も注意が必要です。
この時期で一番失敗しやすいのが、
誤って蛹室を壊してしまうことです。
写真のように外から見て分かる位置に蛹室をつくってくれれば良いのですが、
菌糸ビンの内部(見えない位置)につくってたり、蛹室の一部しか見えない場合などが問題です。
蛹室をつくってると気づかずに菌糸ビン交換してしまい、その結果蛹室を壊してしまうことが多いです。
特に春先から気温が高くなる時期は、幼虫の成長が早くなり蛹室をつくりやすいので注意が必要です。
幼虫を複数飼育している場合は、どれか1頭でも蛹室を作り始めたら他の幼虫も作り始めてる可能性があります。
今回観察している3頭の幼虫のうち、2頭が蛹室を確認でき1頭は外からでは見えませんでした。
そういった場合は見えない1頭も菌糸ビン交換はせずに様子をみたほうが安心です。
もしも蛹室を壊してしまったり、蛹室の状態が悪かったら
蛹室を壊してしまったり、蛹室の状態が悪かった場合には、
人工蛹室というものに移してあげます。
人工蛹室とは、人工的に蛹室を再現した飼育用品のことです。
スポンジのような素材でできていて、水分を含ませて使用します。
乾燥しないように飼育ケースなどに入れます。ここに蛹を傷つけないように移してあげるだけです。
本来は自分でつくった蛹室で羽化するのが一番良いので、人工蛹室は緊急用のアイテムのような感じです。
ただ、自分でつくった蛹室でも上手く羽化できないこともあります。
羽化不全
といって、羽がクチャクチャになったり大アゴが曲がってしまったりした状態で羽化してしまうこともあります。
これは事前に防ぐことはなかなか難しいため、自然に任せる部分になります。
まとめ
オオクワガタ幼虫が蛹室をつくったときの注意点などをご紹介しました。
幼虫から蛹になって、そして成虫へ羽化するこの時期は一番注意が必要です。
幼虫自体もデリケートな状態になりますので、できるだけ静かに見守ってあげましょう。
特に菌糸ビン交換などで蛹室を壊してしまわないように気をつけて下さい。
今日はこのへんで。
それではまた!