今回はオオクワガタを産卵させるためには欠かせない『産卵木』について選び方をメインに紹介します。
オオクワガタの産卵にチャレンジするならもちろん成功させたいですよね?
生き虫なので必ず成功する方法というのはありませんが、産卵確率を上げるという点では産卵木選びは重要になってきます。
というのもオオクワガタはいわゆる『材産み(ざいうみ)タイプ』といわれるように、基本的に木の中に卵を産みつけるクワガタだからです。
これからオオクワガタの産卵をしてみたい場合にはぜひ参考にしてください。
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目次
オオクワガタの産卵に必要な産卵木とは?
そもそも産卵木とは何なのでしょうか?
産卵木とはシイタケの原木栽培で使われたホダ木をオオクワガタの産卵用に短くカットしたものです。
なぜシイタケのホダ木が産卵木として使われるのか?
野生のオオクワガタは立ち枯れしたクヌギなどの樹木に産卵します。ただ飼育下で産卵させるのにそういった天然の樹木を使うことは難しいです。
そういったなかでシイタケ菌によって朽ちたホダ木がオオクワガタが産卵に好む状態だったことが分かり産卵木として利用されるようになりました。
カットされたホダ木は十分に乾燥させてから産卵木として出荷されます。
一般的にオオクワガタの産卵用に使われるホダ木は『クヌギ』か『コナラ』です。ほとんどの産卵木がこのどちらかになります。
産卵木の選び方のポイントは4つ!まずはここを押さえましょう。
産卵木を選ぶときのポイントは4つです。プロのブリーダーもこのポイント押さえて選んでいます。
■種類で選ぶ・・コナラ?クヌギ?
■品質で選ぶ・・A材?B材?
■太さで選ぶ・・細め?太め?
■固さで選ぶ・・固め?柔らかめ?
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
産卵木の選び方その1「種類で選ぶ」
販売されている産卵木は多くの場合『コナラ』か『クヌギ』のどちらかになります。
まずはどちらの種類を使うか選びましょう。
ちなみにオオクワガタの場合はどちらのほうが産卵しやすいというのはありません。次のポイントで選ぶのがおすすめです。
コナラの産卵木・・クヌギよりも材質が固めで安価なのが特徴。材が固いと産卵後も崩れにくいため幼虫が2令・3令になってから割り出したい時におすすめ。
クヌギの産卵木・・コナラより材質が柔らかめ。産卵セットしてから短期間でも割り出しやすいため、早めに幼虫を割り出したい時におすすめ。
価格や材質の違いが大きいのでそのあたりで選ぶのがいいでしょう。ただし同じコナラ材・クヌギ材でも固さは異なる場合があります。あくまで目安です。
産卵木の選び方その2「品質で選ぶ」
産卵木の品質も重要です。産卵木は品質によりA材・B材などに分けられることが多いです。
■A材・・高品質の産卵木。芯が少なく黒い線やシミが無いもの。
■B材・・A材よりも芯が太く、黒い線やシミも多少あったりするが産卵には問題ないもの。
産卵木の品質を比べるポイントとして『芯の大きさ』と『黒いシミ・線』の2つがあります。
断面の中心部分にある色が濃くなっているところが芯です。この芯の部分は非常に固いためシイタケ菌がまわらず、またメスもこの部分には産みません。
そのため芯が少ないものがA材に選ばれます。
よく勘違いされることが多いのですが『芯がある=産卵によくない』というわけではありません。どの材にも大なり小なり芯はあります。芯があってもそれ以外の部分が十分にあれば産卵には問題ありません。
たとえば太めの材は芯が目立つことも多いですがその分芯以外の部分も多いのでそこに産んでくれます。細い材で芯の部分が大きいと産む場所が少なくなるのでそこだけ気をつけましょう。
産卵木によっては断面に黒っぽい線やシミのようなものが出ているものがあります。
これはシイタケ菌以外の菌(雑菌など)が入ったあとに出ることが多いです。無いものを使うのがおすすめです。
こういったシミや線のないきれいな断面をした産卵木を選ぶようにしましょう。
産卵木の選び方その3「太さで選ぶ」
産卵木の太さも選ぶときには大きなポイントです。
産卵木は太さにより『Sサイズ(細目)』・『Mサイズ(中目)』・『Lサイズ(太目)』に分けられることが多いです。
なぜ太さで選ぶかというと産卵セットを組む際にケースの大きさによってセットできる産卵木の本数が変わってくるからです。
ちなみに太めだから産みやすい、細めだから産みにくいということはありません。
一般的には産卵木は2~3本セットします。複数の産卵木を使うのは成功確率を上げるためにとても重要で、メスは自分が気に入った材に産むからです。1本だけだとその材が気に入らなかった場合は産んでくれません。
例えば中サイズのケースを使った場合、Lサイズ(直径9cm~10cmほど)の産卵木だと2本セットが目安になります。
同じ中サイズのケースでMサイズ(直径7cm~8cm)の産卵木のだと3本が目安です。
産卵木の選び方その4「固さで選ぶ」
固さについては先ほども少し書きましたがおもに次の理由で選ぶのがおすすめです。
■産卵セットしてから早い時期に割り出したい場合は柔らかめの材を使う。
■逆に幼虫が2令や3令などある程度育ってから時間をかけて割り出したい場合は固めの材を使う。
メスが産卵木に卵を産むとやがて幼虫に孵化します。孵化した幼虫は産卵木をエサに成長していきます。幼虫が食べ進んでいくと産卵木が割りやすくなっていくんです。
そのため固い材だと早い時期に割り出そうとしても固すぎて割るのが大変になります。
一般的にはクヌギのほうがコナラより柔らかめですが、同じクヌギでも材によって固かったりもします。コナラも同じ。
実際に手にもって選べるのであれば産卵木の表面を指で押して感触をチェックしてみましょう。爪を立ててみると分かりやすいのですが商品だと爪の痕が残ってしまうのでそこは注意です。お店の方に選んでもらうのがいいでしょう。
ネット通販などで購入する場合には「固めの産卵木を選んで下さい」などリクエストするといいです。親切なお店ならしっかり対応してくれます。
初心者の方におすすめの産卵木とは?
ここまで紹介したポイントを踏まえて初心者の方におすすめの産卵木の選び方を紹介します。
■A材の産卵木を選ぶ
■Mサイズ(中目)の産卵木を3本選ぶ
■固めの産卵木を選ぶ
産卵木は専門店のA材(品質が一番良い材)を選んでおけば大丈夫です。産卵木は3本使えばメスが気に入ってくれる確率があがります。Mサイズなら中サイズ以上のケースでセットできます。固めの材なら幼虫がある程度育ってから割り出すのにおすすめです。
最後に重要なポイントを。
じゃあおすすめの産卵木を選んだからといって必ず産卵してくれるのかというと、それは分かりません。
人間が良いと思って選んだものでも、最終的に産むかどうか選ぶのはクワガタ自身だからです。
なのであくまで産卵する確率をあげるために選んでいると思いましょう。
もちろん産卵にチャレンジするからには成功したいのは皆さん一緒ですが、生き虫でやってみないと分からないところが面白いところでもあります。
ちなみにオオクワガタの産卵にとても効果的な人工カワラ材というものもあります。産卵を目的につくられた産卵木のことです。
もし普通の産卵木で思うように産んでくれないときは人工カワラ材を試してみるのもおすすめです。
今日はこのへんで。
それではまた!