今回はオオクワガタの産卵に超おすすめな「人工カワラ材」の紹介です。
「オオクワガタを産卵セットしたけど中々産んでくれない・・」
「どうしても産ませたいペアがいるので、少しでも産卵の確率を上げたい・・」
そんな時こそ人工カワラ材の出番です!
なぜ人工カワラ材がオオクワガタの産卵に効果的なのか?
人工カワラ材の特徴と産卵セットする方法について書いていきたいと思います。
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オオクワガタの産卵に効果的な「人工カワラ材」って何?

人工カワラ材というのは、クヌギ材やコナラ材などに「カワラタケ菌」を人工的に植菌・培養させてつくられたブリード専用の産卵木です。
特徴としては次のとおりです。
■オオクワガタが産卵に好むカワラタケ菌を使用
■培養時に加水してあるためすぐに使用できる
■製造時に滅菌してあるので雑虫の残存がほとんどない。
■通常の産卵木に比べ価格は高い。(1本あたり約2~3倍)
■乾燥させたクヌギ材などに比べ日持ちはしにくい
人工カワラ材はオオクワガタが産卵に好むカワラタケ菌を使用
オオクワガタは野外ではカワラタケなどの菌で朽ちた広葉樹を好んで産卵することがわかっています。
その特性を生かすため、人工的にカワラタケ菌をクヌギ材などに植菌してつくられたのが人工カワラ材です。
つまり、ブリード専用の産卵木というわけです。
通常のクヌギ材やコナラ材の産卵木は、シイタケのホダ木を利用したものになります。
シイタケ菌で朽ちたホダ木はオオクワガタが産卵する条件を満たしていました。
しかしこれらはあくまで椎茸栽培で使われた廃材を利用しているということでして、もちろん産卵させることは十分可能なのですが産卵を目的につくられたものではありません。
その点、人工カワラ材はブリードを目的に製造されていますので通常の産卵木に比べると産卵確率や産卵数がアップしやすくなるというわけです。
人工カワラ材は培養時に加水してあるためすぐに使用できる
人工カワラ材は培養時に加水がされています。
このため袋から出してすぐに使うことができるんです。
通常のクヌギ材やコナラ材は使用前に加水して陰干しするという作業が必要になります。
慣れている人なら大丈夫ですが、初心者の方ですとどのくらい加水していいのか分からない場合も多いでしょう。
すぐ使えるところが初心者の方にとっても安心ですね。
人工カワラ材は製造時に滅菌してあるので雑虫の残存がほとんどない。
通常人工カワラ材は製造時に滅菌してあります。そのため産卵木の中に雑虫が残存していることがまずありません。
その点も安心して使える優れた産卵木といえるでしょう。
人工カワラ材は通常の産卵木に比べ価格は高い。
椎茸栽培のホダ木の廃材を利用している通常の産卵木に比べると、製造コストがかかる分どうしても価格が高くなってしまいます。
だいたい人工カワラ材は1袋2本セットで1,500円~2,000円程度します。
普通のクヌギ材やコナラ材は1本300円~500円くらいですので、比べると約2倍~3倍の価格です。
産卵セットする数が多いとかなりの出費となってしまうのがデメリットです。
セット数が多くなかったりどうしても産卵させたいペアがいる時などにおすすめです。
乾燥させたクヌギ材などに比べ日持ちはしにくい
普通のクヌギ材やコナラ材はカラカラに乾燥させた状態で出荷します。
直射日光や湿気を避けて保存すれば1年以上は問題なく保存可能です。
逆に人工カワラ材は加水して植菌されているため、日々状態が変わっていきます。また温度変化にも影響を受けやすく高温化では劣化しやすいです。
そのため長期保存には適しません。
産卵セットを組みたいタイミングでその都度揃える必要があります。
普通のクヌギ材やコナラ材に比べ高価格や保存が難しいなどのデメリットはありますが、産卵効果はバツグンなのでメリットがそれを上回ります。
オオクワガタの産卵確率や産卵数をアップさせたい場合にはぜひとも使いたい産卵木なのは間違いないです。
とはいえ生き虫なので必ず産卵するというわけではありません。あくまで効果的ということです。
人工カワラ材を使った産卵セット方法【とても簡単です】
それでは実際に人工カワラ材を使ったオオクワガタの産卵セット方法を紹介します。
やり方はとっても簡単です。
産卵セットする際に準備するもの

準備するものは次のとおりです。
【必ず必要なもの】
■人工カワラ材
■飼育ケース(中サイズくらい)
■埋め込み用マット
■転倒防止材
■高たんぱくゼリー
【あると便利なもの】
■作業用の受け皿
■ヘラ(人工カワラ材の皮むきのため)
■霧吹き
【必ず必要なもの】は専門店で入手しましょう。これらの品質で産卵結果など大きく変わってきますので。
【あると便利なもの】は100均で購入できます。ヘラはガム取り用のもので十分です。
人工カワラ材を袋から取り出します。

人工カワラ材を袋から取り出して受け皿に置きます。受け皿がない場合はブルーシートでもいいです。かなり散らかりますので後片付けのために。
通常人工カワラ材は1袋に2本入っています。オオクワガタはメスが気に入った産卵木に産む傾向があるため2本ともセットします。
ヘラを使って人工カワラ材の被膜と皮をむきます。

人工カワラ材は厚い菌糸の被膜に覆われています。
ヘラを使ってこの被膜と産卵木の皮をむいていきます。
全てむくほうが良いのかは人によってやり方が違います。皮をむくことでメスが産卵しやすくなると考える人もいれば、産卵木の乾燥を防ぐため残す人もいます。
今回は半分ほど取り除いてみました。

※取り除く際には手を怪我しないように十分注意してください。
産卵用のケースに埋め込みマットを敷きます。
次に産卵用のケースに埋め込みマットをケース底から2~3cmくらいになるように敷きます。

産卵用のケースには「コバエシャッター(中)」がおすすめです。
コバエが出入りしにくいのはもちろんのこと、密封性が高く保湿効果に優れているのでケース内の乾燥を防いでくれます。
材の太さにもよりますがほとんどの人工カワラ材2本がちょうど入る大きさです。
また埋め込み用のマットは微粒子のものが良いです。

底に敷いた埋め込み用マットは手で押し固めます。
マットは霧吹きで加水しましょう。マットが湿る程度で大丈夫です。びちゃびちゃに加水し過ぎないように注意です。

人工カワラ材を置いて周りを埋め込み用マットで埋めていく
次に人工カワラ材を産卵用ケースに並べて置きます。

今回は半分だけ皮をむいてありますので、むいた面を下にして並べて置きました。
続いて人工カワラ材のまわりを埋め込み用マットで埋めていきます。特に固く埋める必要はありません。

埋め終わったらこんな感じ。

人工カワラ材の上部だけ少し外に出しておきます。
ここまでくれば産卵セットはほぼ完成です。あと少し!
最後に転倒防止材と高たんぱくゼリーを置いてメスを投入すれば完了!
転倒防止材と高たんぱくゼリーをバランスよく置きます。

転倒防止材はメスがひっくり返った時にすぐに起き上がれるように置いてあげましょう。
クワガタってけっこう起き上がるのが下手です(汗)
ゼリーは少し多めに置いておきます。一度産卵セットしたらなるべく触らず様子をみたほうがいいからです。
最後にメスを投入して産卵セットは完了です!

メスを投入し終えたら、室内の直射日光が当たらない場所において様子をみます。
あれこれ中の様子が気になるところですが1ヶ月くらいはこのまま様子をみてあげましょう。
必要の際にゼリーを交換するくらいです。
実際にオオクワガタの産卵に人工カワラ材の効果はバツグンでして、こちらの記事でも詳しく紹介していますのでご参考ください。
まとめ
オオクワガタの産卵には人工カワラ材が超おすすめな理由と、産卵セット方法について紹介しました。
もちろん生き虫ですので必ず産卵してくれるとは限りませんが、通常の産卵木よりも産卵確率や産卵数に効果があるのは確かです。
ちょっと特殊な産卵木ってイメージがありますが、セットもあまり手間がかからず簡単ですので初心者の方にこそぜひ試して頂きたい産卵木といえます。
今日はこのへんで。
それではまた!