今回はオオクワガタ幼虫の「初令・2令・3令」の違いや見分け方、成長期間などについて紹介します。
よくこんな感じで質問を頂くことがあります。
「オオクワガタの幼虫が1cmくらいの大きさなんですが、菌糸ビンに入れるのはいつですか?」
幼虫の大きさで判断するのも間違いではないですが、「初令・2令・3令」のどの段階かで判断するほうがいいです。
オオクワガタに限らず他のクワガタムシやカブトムシの幼虫でもそうなのですが、卵から成虫に羽化するまで次の段階を経て成長します。
↓
「初令(1令)幼虫」
↓
「2令幼虫」
↓
「3令(終令)幼虫」
↓
「蛹」
↓
「成虫」
飼育するうえで今はどの段階なのか分かっていると飼育しやすくなります。
蛹や成虫の違いはすぐ分かりますが、幼虫の各段階は初心者の方だと分かりにくいですよね?
というわけで今回は「初令」・「2令」・「3令」幼虫についてみていきましょう。
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オオクワガタ幼虫 初令・2令・3令とは?成長段階でのそれぞれの特徴
まずはオオクワガタ幼虫の初令・2令・3令の比較画像をご覧ください。
幼虫は成長過程において「初令」・「2令」・「3令」という段階を経て大きくなります。
脱皮することで初令→2令→3令になることを「加齢(かれい)」といいます。
それぞれの段階での特徴をみていきましょう。
(※ここでの数字はオオクワガタ幼虫の場合です)
卵から孵化した状態の幼虫です。初令幼虫あるいは1令幼虫といいます。初令と呼ぶことが多いです。
ほんの数mm程度の大きさのため扱いには注意が必要です。
指でつかむと傷つけたり潰してしまう恐れがあるのでスプーンなどで扱いましょう。
初令のうちに菌糸ビンへ投入すると幼虫が菌糸に負けて死んでしまうことがあります。
通常は2令になるまで産卵木の中で成長させるか発酵マットで飼育するのがおすすめです。
目安としては約3~4週間くらいで2令幼虫へ脱皮します。(飼育温度やエサなどの環境によって変わる場合があります)
頭の幅(頭幅)は1.5mm程度しかありません。
初令幼虫が脱皮すると2令幼虫になります。エサをよく食べるようになる段階です。
菌糸ビンへ投入する方が多いのもこの時期です。大型の個体を狙うなら3令よりも2令の段階で投入したほうが効果的です。
約3~4週間くらいで3令幼虫へ脱皮します。環境によってはさらに長くなる場合もあります。
頭幅は4~6mmくらいです。
3令幼虫または終令幼虫といいます。3令と呼ぶほうが多いです。
幼虫としては一番長い期間となり、目安としては菌糸ビン飼育で約6ヶ月~10ヶ月くらいです。環境やオス・メスの違いによって変わってきます。
また材飼育などの場合だと羽化まで2年かかることもありますので3令幼虫の期間はその分長くなります。
エサをたくさん食べてぐんぐん大きくなる期間です。
頭幅は7~12mmくらいです。
オオクワガタ幼虫、初令・2令・3令の違い(見分け方)
幼虫がどの段階なのか判断する方法は簡単です。
頭の幅(オレンジ色の部分)の大きさから見分けることができます。
もう一度「初令・2令・3令」の比較写真をみてみましょう。
写真をみると分かるように、初令・2令・3令では頭の大きさが一回り以上大きくなってますよね?
ちなみに写真では体の大きさもだいぶ違いますが、体の大きさでは見間違えることがあります。
というのも、脱皮したての段階では頭は大きくなっていても体は小さいままというアンバランスな状態になるからです。
下の写真はオオクワガタではないですが、外国産のカブトムシの幼虫の比較画像です。
体の大きさに注目してください。
2令幼虫と3令幼虫なのに体の大きさは同じくらいですよね?
左は「2令後期」、右は「3令初期」になります。左の幼虫のほうが頭幅は一回り小さいです。
つまり体の大きさでは正確に見分けることができないわけです。3令のほうはこれから体が大きく成長していきます。
3令初期と3令後期の幼虫を見比べてみましょう。
こちらも外国産カブトムシですが、同じ3令でも体の大きさがだいぶ違っています。
ただし頭幅はほとんど変わっていません。
まとめ
オオクワガタ幼虫の「初令・2令・3令」について特徴と見分け方を紹介しました。
まとめると次のとおりです。
■幼虫は初令・2令・3令へと脱皮をして成長する。
■初令・2令の期間は約3~4週間、3令は約6ヶ月~10ヶ月と長い。
■幼虫は3令時に一番大きく成長する
■何令か見分けるには体の大きさではなく頭幅で判断する
一概に頭幅といってもオオクワガタ幼虫と世界最大のクワガタであるギラファノコギリ幼虫とでは大きさがまったく違います。
種類ごとにまた大きさが変わってくるので注意しましょう。
とはいえ同じ種類の幼虫をたくさん見ているうちにパッとみてすぐに分かるようになります。
オオクワガタ幼虫についてはこちらの記事もよければご参考ください。
今日はこのへんで。
それではまた!