菌糸ビンでクワガタの幼虫を飼育しているといきなりキノコが生えてくることがあります。
たぶん初めて見た人はびっくりするでしょう。
でもこれってある意味当たり前でそれは菌糸ビンはもともとキノコの菌床栽培の技術を応用したものだからです。
出典:宝珠山きのこ生産組合
上の画像は菌床栽培の様子。キノコがたくさん生えてきてますよね。
キノコの収穫が目的なら大歓迎ですがクワガタ幼虫飼育の場合はそうじゃありません。で気になるのが次のとおり。
今回はこのあたりの疑問についてお答えします。またキノコが生えないようにするにはどうすればいいのかも紹介しますね。
目次
菌糸ビンにキノコが生えたら幼虫は大丈夫なの?
キノコはクワガタ幼虫に直接害を与えることはありません。元々キノコ菌がオガを分解しそれをクワガタ幼虫がエサとします。むしろキノコとクワガタの相性は良いともいえるでしょう。
じゃあキノコは問題ないのかというとそうではないんです。
■キノコが菌糸ビンの栄養分を吸収してしまう
■キノコが菌糸ビンの通気孔を塞いでしまう
■蛹室の中にキノコが生えたら羽化不全などを起こしてしまう
主に上記の問題があります。
キノコが菌糸ビンの栄養分を吸収してしまう
キノコが生えてどんどん成長していくと、それにともなって菌糸ビン内の栄養がキノコに取られてしまいます。栄養たっぷりで飼育するために菌糸ビンに投入しているのにそれでは本末転倒です。
特に大型個体を狙っている場合にはキノコはやっかいな存在。すぐに幼虫の生死に関わることはありませんが幼虫飼育の面ではマイナスになります。
キノコが菌糸ビンの通気孔を塞いでしまう
菌糸ビンの上部にキノコが生えて成長すると菌糸ビンのフタにある通気孔を塞いでしまいます。ここが塞がれてしまうと幼虫が窒息してしまう恐れがあるので危険です。
蛹室の中にキノコが生えたら羽化不全などを起こしてしまう
一番キノコが生えやすいのは菌糸ビン上部ですが、蛹室の内部に発生することもあります。このケースも要注意です。
そうなると中の蛹を圧迫して羽化不全を起こしてしまう恐れがでてくるんです。羽化不全とは正常な形で羽化できないこと。蛹の状態は体が柔らかいためキノコによって力が加わると危ないわけですね。
キノコには生えやすい条件・環境があります。
菌糸ビンのキノコには生えやすい条件・環境があります。
■飼育温度が20℃を下回った場合
■1日の温度変化が大きい場合
■湿度が高い場合
主に上記のとおりです。
湿度に関してはクワガタ幼虫にも必要なので、気をつけたいのが温度になります。
キノコは20℃を下回ると生えやすくなります。20℃~25℃と高温で飼育している場合にはそれほど生えません。(絶対に生えないわけではありませんが)
また1日の温度差が大きくなると一気に生えやすくなります。なので温度管理できる場合には20℃以上で一定温度を心がけて管理すればキノコ防止に効果的です。
温度管理ができない常温飼育の場合にはできるだけ温度変化が少ない場所におきましょう。
特にキノコが生えやすいのが秋・春の季節の変わり目です。外気温も朝晩の温度変化が大きいですからね。
キノコが生えた場合はどうしたらいい?
もし菌糸ビンの上部に生えてしまった場合は速やかに取り除きましょう。菌糸ビンの側面に生えてしまった場合は取り除けませんので20℃以上の場所に移すか温度変化が少ない場所において様子をみます。あまりにも多く生えているようなら菌糸ビンの交換も検討しましょう。
問題なのが蛹室の内部に生えた場合です。もしも内部にキノコが確認できたらすぐに蛹を人工蛹室などに移す必要があります。
↑菌糸ビン上部に生えたキノコは全て残さず取り除きましょう。
まとめ
突然菌糸ビンにキノコが生えた場合に幼虫は大丈夫なのかどうか、対処法などについて紹介しました。
まとめると次のとおりです。
■キノコが生えてもすぐ幼虫の生死に関わることはない
■キノコが幼虫にプラスになることはないので取り除く
■蛹室内にキノコが生えた場合はすぐ対処が必要
■キノコは20℃以下で温度変化が大きいと生えやすい
菌糸ビン飼育にキノコはつきものなので完全に防ぐことは難しいです。特に秋・春など季節の変わり目には生えやすいので小まめに観察しておくのがいいでしょう。
今日はこのへんで。
それではまた!